3-2.遠視
遠視の定義「眼が無調節状態において、無限遠方からの平行光線が網膜の後方で焦点を結ぶ屈折異常」

遠視とは角膜や、水晶体の彎曲度・屈折率が原因(屈折性異常)、または眼球の長さ(眼軸)の異常が原因(軸性異常)により、外界からの光(映像)が網膜の後方に焦点を結んでしまい、網膜にきっちり焦点が合わないものです。
症状としては無調節状態の場合、遠くも近くもはっきり見えません。(遠くが良く見える目ではありません)
弱い遠視ならば調節力を働かせることによって網膜上に焦点を合わせて遠くも近くも見えるようになります。「随意遠視」といいます。正視の人は近くを見る時に調節力を働かせますが、遠視の人は遠くでも近くでも常に調節力を使わなくてはならないので、「疲れやすい眼」、肩がこったり、頭が痛い等眼精疲労になりやすい目です。
眼が完成する前の小児では、遠視が強いと弱視(メガネ等で矯正しても視力がでない)の原因にもなることもあり、落ち着きや根気がなかったり,あきっぼかったり本が嫌いだという症状も現われやすくなります。
こういった場合は裸眼視力がよくても眼鏡をかける必要があります。一般に遠視は裸眼視力がよいことが多いため、学校検診での遠見視力(5m)の視力検査だけでは発見できないことが多くあります。
中程度の遠視、または調節力が弱い(衰えている)となると遠視を調節力が何とかカバーしますが、かなりの調節力を必要として寄り眼になります(調節性輻輳が強く働いて内斜位・内斜視となる)。「相対遠視」といいます。
強度の遠視、または調節力が著しく弱い(衰えている)となると遠視をカバーできず、裸眼では外界の物体をはっきり見ることはできません。「絶対遠視」といいます。調節力は年齢とともに衰えていきます。遠視の人が老人になればほぼ絶対遠視となります。
遠視の発生の原因としては以下のもの等が挙げられます。
・先天性遠視
赤ちゃんの眼は一般に発育未完成であり小さいため、遠視であるが、小学校にあがるくらいには正視となります。しかしながら、この発育が不十分なものがあり、それを先天性軸性遠視といいます。
また先天的に角膜の彎曲に異常があり屈折性遠視となることもあります。
・後天性遠視
角膜実質炎後の瘢痕性変化、翼状片等によって角膜が扁平や、水晶体の前面後面の彎曲度減少によって起こる、「屈折面の彎曲度減少」によるもの。
水晶体が脱臼し後方に移動してしまったっ場合や、白内障の手術等で水晶体を取り除いたとき等、「屈折面の移動や欠除」によるもの。
老年期になると「老化」により角膜や水晶体の屈折率が遠視方向に進みます。これを老人性遠視といいます。