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-目の仕組み、”屈折異常”とは?
<<最初に>>このコーナーではメガネと関係の深い近視、遠視、乱視、老視(老眼)等について説明しています。眼の病気等には詳しく触れていませんのでご了承下さい。また、一般の方にも分かりやすいように簡単に説明しておりますので、詳しい説明が足りないものもあります。また、人それぞれに例外的なこともあります。もっと詳しく知りたい方はハヤシメガネか眼科様までお問い合わせ下さい。

1.眼の構造

眼は物体を認識するために必要な装置である眼球と視神経の他、視機能を円滑かつ安全に発揮するための眼球付属器から成り立っています。

おおざっぱに説明すると、外界からの光(映像)は眼球の角膜と水晶体を通り、屈折されて網膜に焦点を結び、視神経により脳に伝達されて映像として認識されます。

「目が良く見えない」ということは、網膜にきっちり焦点が合ってないか、合っている場合は他の部分に原因があると考えられます。私たちメガネ屋にできることはメガネ(レンズ)やコンタクトレンズによって網膜にきっちり焦点が合うようにすることです。

      

2.「視力」と「度数(D)」

下図のような「ランドルト環」の大きさが、直径7.5mm、幅1.5mm、切れ目幅1.5mmのものを5m離れて識別できる眼の能力を1.0としています。

メガネ屋では「度数(D)」という言葉を使います。「度数」とは「ディオプトリー」または「ディオプター」とも呼び、レンズの屈折力を表し、焦点距離の逆数で表します。(D=100cm/焦点距離cm)焦点距離1mのレンズを「1D」とし、焦点距離50cmならば「2D」、25cmならば「4D」です。

今メガネをかけないで、遠くが1mまでしかはっきり見ることができない人がいるとすると、その人の目の屈折力は「1D」です。50cmまでしか見えなければ、その人の目は「2D」となります。(度数・焦点距離早見表

視力と度数には明確な関係はありません。

      

3.屈折異常

外界からの光が網膜にきっちり焦点を結ぶものを「正視」、対してきっちり焦点を結ばないものを「屈折異常(非正視)」と呼びます。網膜にきっちり焦点が結ばれなければ、はっきりした映像を見ることはできません。近視、遠視、及び乱視は屈折異常によるものです。(老眼は屈折異常ではありません。別項で説明)

屈折異常の種類としては、角膜及び水晶体の彎曲度・屈折率の異常による「屈折性異常」のものと、眼球自体の長さ(眼軸)の異常による「軸性異常」のものがあります。

近視は網膜より手前に焦点を結ぶもの、遠視は網膜より後ろに焦点を結ぶもの。乱視は眼の立方向・横方向など経線によって屈折率が違い、焦点を1つに結ばないものです。

屈折異常の原因としては病気や環境的な要因もありますが、成長や老化にともなう変化も多くあります。

    

3-1.近視

近視の定義「眼が無調節状態(※)において、無限遠方からの平行光線が網膜の前方で焦点を結ぶ屈折異常」(※)調節:眼内の水晶体を膨らませてピントを合わせること。無調節とはピント合わせをしないということ。

近視とは角膜や、水晶体の彎曲度・屈折率が原因(屈折性異常)、または眼球の長さ(眼軸)の異常が原因(軸性異常)により、外界からの光(映像)が網膜の手前に焦点を結んでしまい、網膜にきっちり焦点が合わないものです。

症状としては近くにピントが合ったような眼ですので、遠くが見にくく、近くが見やすいものとなります。(調節力を使わなくても近くが見やすい)

近視の発生の原因としては以下のもの等が挙げられます。

・先天性近視(全近視の約5%)

遺伝性のもので、通常生まれたばかりの赤ちゃんは遠視ですが(成長に合わせて小学生くらいまでに正視になります)、乳幼児の頃から近視となり、青年あるいは壮年に至るまで症状が進み、かなりの強度となります。眼底に委縮や変性が見られ、硝子(しょうし)体融解や網膜剥離などの合併症を引き起こし、失明するケースもあり、「悪性近視」・「病的近視」と呼ばれています。

・後天性近視

多くは学齢期、思春期に発生し、弱〜中程度の近視とはなりますが、先天性近視のような病的変化はあまり見られません。勉強・パソコン・ケータイ等生活環境による影響が大きく影響しますが、体質的な要因もあるようです。昔は25歳前後で進行は停止すると考えられていましたが、生活環境の変化か、30代でも近視の進む人も多くいます。

・偽近視(仮性近視)

近くを見るため水晶体を膨らませる調節力は「毛様体筋」によって行われますが、その作業が生理的限度を超えて異常の緊張を持続すると固定化し、一時的な近視の状態になることをいいます。

治療法は点眼療法や内服療法の他、元に戻す訓練として、凸レンズを装用し、徐々に弱くして調節緊張を緩解させる「雲霧法」や、1〜2時間遠方を凝視したり、遠くや近くを交互に注視するなど毛様体筋に体操練習させると効果があるといわれている。

   

3-2.遠視

遠視の定義「眼が無調節状態において、無限遠方からの平行光線が網膜の後方で焦点を結ぶ屈折異常」

遠視とは角膜や、水晶体の彎曲度・屈折率が原因(屈折性異常)、または眼球の長さ(眼軸)の異常が原因(軸性異常)により、外界からの光(映像)が網膜の後方に焦点を結んでしまい、網膜にきっちり焦点が合わないものです。

症状としては無調節状態の場合、遠くも近くもはっきり見えません。(遠くが良く見える目ではありません)

弱い遠視ならば調節力を働かせることによって網膜上に焦点を合わせて遠くも近くも見えるようになります。「随意遠視」といいます。正視の人は近くを見る時に調節力を働かせますが、遠視の人は遠くでも近くでも常に調節力を使わなくてはならないので、「疲れやすい眼」、肩がこったり、頭が痛い等眼精疲労になりやすい目です。

眼が完成する前の小児では、遠視が強いと弱視(メガネ等で矯正しても視力がでない)の原因にもなることもあり、落ち着きや根気がなかったり,あきっぼかったり本が嫌いだという症状も現われやすくなります。 こういった場合は裸眼視力がよくても眼鏡をかける必要があります。一般に遠視は裸眼視力がよいことが多いため、学校検診での遠見視力(5m)の視力検査だけでは発見できないことが多くあります。

中程度の遠視、または調節力が弱い(衰えている)となると遠視を調節力が何とかカバーしますが、かなりの調節力を必要として寄り眼になります(調節性輻輳が強く働いて内斜位・内斜視となる)。「相対遠視」といいます。

強度の遠視、または調節力が著しく弱い(衰えている)となると遠視をカバーできず、裸眼では外界の物体をはっきり見ることはできません。「絶対遠視」といいます。調節力は年齢とともに衰えていきます。遠視の人が老人になればほぼ絶対遠視となります。

遠視の発生の原因としては以下のもの等が挙げられます。

・先天性遠視

赤ちゃんの眼は一般に発育未完成であり小さいため、遠視であるが、小学校にあがるくらいには正視となります。しかしながら、この発育が不十分なものがあり、それを先天性軸性遠視といいます。

また先天的に角膜の彎曲に異常があり屈折性遠視となることもあります。

・後天性遠視

角膜実質炎後の瘢痕性変化、翼状片等によって角膜が扁平や、水晶体の前面後面の彎曲度減少によって起こる、「屈折面の彎曲度減少」によるもの。

水晶体が脱臼し後方に移動してしまったっ場合や、白内障の手術等で水晶体を取り除いたとき等、「屈折面の移動や欠除」によるもの。

老年期になると「老化」により角膜や水晶体の屈折率が遠視方向に進みます。これを老人性遠視といいます。

   

3-3.乱視

乱視の定義「眼光学系の屈折面が正しい球面でないために、外界からの一点から出る光線が眼内にて一点に集合することなく、調節力によっても、また凹レンズ・凸レンズによっても外界を明視できない屈折異常を乱視という」

角膜や水晶体の屈折異常のため眼の縦方向・横方向など経線によって屈折率が違い、焦点を1つに結ばないものです。人の目は誰もが正確な屈折面ではありませんが、程度が強いとはっきりピントが合わなくなります。

症状としては縦横のピントが合いませんので、眼は縦横のピントのずれが最小(最小錯乱円)のところで見ようとしますが、結局ピントは合っていませんのではっきり見えません。歪んで見えるなどのことはありません。

角膜や水晶体の屈折面(率)の変化に一定の規則性があるものを正乱視といいます。屈折面の一番強い経線(強主経線)と一番弱い経線(弱主経線)は直交します。強主経線の傾きで直乱視倒乱視斜乱視と分類されます。

角膜や水晶体の屈折面(率)の変化に一定の規則性が無いものを不正乱視といい、メガネで矯正することはできませんので、コンタクトレンズで矯正することがあります。

不正乱視の多くは円錐角膜、パンヌス,角膜炎、角膜潰瘍、角膜外傷等によって角膜の表面が不規則となって起こります。

   

3-4.不同視

左右の眼の屈折率が違うものをいいますがが、一般的に左右眼が全く同一の度数の人は少ないです。

このような軽度の差のものを生理的不同視といい、一般的に左右で約2D以上の差があるものを対象に不同視といいます。

方眼が近視で他方が遠視など左右で屈折状態が違うものを異種不同視、左右同一の屈折状態のものを同種不同視といいます。

   

4.老視(老眼)と調節力

4-1.調節

通常外界からの光線(映像)は角膜・水晶体等を通り、網膜に達し、なんらかの映像が映るようになっています。

しかし、その映像を正確に認知するためには、網膜上の映像を鮮明にしなければなりません。網膜上の映像を鮮明化する作用、つまりピント合わせすることを”調節”といいます。

調節とは毛様体小体、毛様体筋で水晶体を膨らませて凸レンズの度数を強めることです。そしてどのくらい調節できるかを調節力といいます。

例えば正視(度数0D)の人が目の前20cmまではっきり見える場合は調節力は「5D」です。

近視1Dの人が目の前20cmまではっきり見える場合は調節力は「4D」です(5D-1D=4D)。

   

4-2.老視(老眼)

年齢が進むにつれ、毛様体が衰えや水晶体の硬化等で、調節力は衰え、減少し、近くを見ることが難しくなります。

この調節異常、これが老視、俗にいう”老眼”です。

一般に20歳ぐらいまでは10〜12Dの調節力がありますが、30歳では約7Dになり、40歳では約4.5Dとなります。4.5Dということは正視の人ならば近くが目の前22cmまでしか見えないということです。それも”精一杯がんばって”ですから、すぐに目が疲れたり頭が痛くなってしまいます。

45歳では約3.5Dとなります。調節力が4D以下(目の前25cm)になると一般に老視(老眼)と言います。

一般に近くが見えないことを老視(老眼)と思っている人が多いようです。また、近視の人が老視(老眼)にならないと思っている人も多いようです。

例えば正視(0D)で調節力が2Dの人は近くが50cmまでしかはっきり見えず、本を読む等、近くを見ることが非常に不便になります。

2Dの近視で調節力が2Dの人は遠くが50cmまでしかはっきり見えない代わりに、近くは25cmまではっきり見ることができます。しかし、2Dの近視の人が遠くもはっきり見えるようにメガネをかけると、同じように近くが50cmまでしかはっきり見えないのです。

近くが良く見えても、近視の人でも、誰でも老視にはなるのです。

また、一般的に老化に伴い、水晶体等の屈折面が遠視状態に移行していく傾向もあり、さらに近くをはっきり見ることは難しくなります。

これを老人性遠視といいます。